補助金でホームページを作る方法|小規模事業者持続化補助金の使い方【2026年版】

この記事のまとめ(先に結論)
- ホームページ制作は、小規模事業者持続化補助金の「ウェブサイト関連費」で補助を受けられます。
- ただしウェブサイト関連費だけでは申請できず、計上できるのは補助金額の1/4(最大50万円)までという上限があります。
- 補助金は後払い。
交付決定の前に発注・制作を始めるのはNGです。 - 申請には、商工会・商工会議所による書類(様式4)の発行が欠かせません。スケジュールに余裕をもって動きましょう。
※本記事は2026年・第19回公募(公募要領 第6版)時点の情報です。金額や要件は公募回ごとに変わります。必ず最新の公募要領と、お近くの商工会・商工会議所でご確認ください。
「ホームページを作りたいけれど、数十万円の出費はちょっと重い」——多くの小さなお店や会社にとって、これは切実な悩みです。
そんなときに使えるのが補助金です。条件を満たせば、制作費の一部(原則3分の2)を国が補助してくれます。
ただ、ネットで調べると上限額だけを強調した情報が多く、実際にいくら使えるのか・どう進めればいいのかが分かりにくいのが実情です。なかには、肝心の制約を説明していない記事もあります。
この記事では、ホームページ制作の現場にいる立場から、補助金でホームページを作る具体的な方法と、見落としやすい注意点を整理しました。
そもそも「補助金でホームページ」はできるのか?
結論から言うと、条件を満たせば可能です。
国や自治体には事業者向けの補助金がいくつもあり、その多くで「販路開拓(売上を増やすための取り組み)」の一環としてホームページの制作・リニューアル費用が補助対象になります。
なかでも、小さなお店や会社にとって使いやすい代表的な選択肢が、次に紹介する「小規模事業者持続化補助金」です。
使えるのは「小規模事業者持続化補助金」
どんな補助金?(通常枠は上限50万円・補助率2/3)
小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)は、小規模事業者の販路開拓や業務効率化の取り組みを支援する、国(中小企業庁)の補助金です。
2026年・第19回公募時点の「一般型・通常枠」では、おおむね次のような内容です。
| 項目 | 内容(通常枠・2026年時点) |
|---|---|
| 補助上限額 | 50万円 |
| 補助率 | 2/3(対象経費の3分の2まで) |
| 特例の上乗せ | インボイス特例で+50万円、賃金引上げ特例で+150万円(両方なら+200万円)→ 最大250万円 |
| 申請窓口 | 商工会・商工会議所(経営計画書の確認・様式4の発行が必須) |
たとえば通常枠で対象経費が75万円なら、その2/3=50万円が補助され、自己負担は25万円。賃金引上げなどの特例を満たせば、補助の枠そのものを広げることもできます(赤字の事業者が賃金引上げ特例を使うと、補助率が3/4に上がります)。
対象になる「小規模事業者」とは
この補助金は、その名のとおり小規模事業者が対象です。業種によって「常時使用する従業員数」の目安が決まっています。
| 業種 | 常時使用する従業員数の目安 |
|---|---|
| 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 5人以下 |
| サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
| 製造業・その他(建設業・運輸業など) | 20人以下 |
※あくまで目安です。正確な定義や除外条件は公募要領でご確認ください。個人事業主も対象になります。
ホームページは「ウェブサイト関連費」で申請する
ホームページの制作費は「ウェブサイト関連費」という経費区分で申請します。この区分には他の経費にはない特別なルールがあり、知らずに進めると、想定より補助額が小さくなることがあります。順番に見ていきましょう。
ルール1:ウェブサイト関連費は「補助金額の1/4」まで(最大50万円)
ウェブサイト関連費として計上できるのは、補助金交付申請額の1/4(上限50万円)までです。
これを通常枠(補助上限50万円)に当てはめると——
- 補助金額が50万円のとき、ウェブサイト関連費に計上できるのは 50万円 × 1/4 = 12.5万円 まで。
「最大50万円」という数字は、補助金額が200万円規模(特例で枠を大きく広げた場合)になって初めて届く上限です。つまり、通常枠だけでホームページに大きく補助を使うのは難しい、というのが実情です。
通常枠(補助上限50万円)の場合、ウェブサイト関連費に計上できるのは1/4にあたる12.5万円まで。残りは、チラシ・看板など他の販路開拓の経費に充てる必要があります。
ルール2:ウェブサイト関連費「だけ」では申請できない
ウェブサイト関連費は、それ単独では申請が認められません。チラシ・看板・展示会出展・店舗改装といった他の販路開拓の取り組みと組み合わせて申請する必要があります。
「ホームページを作るためだけに補助金を申請する」ことはできない、と覚えておいてください。
ルール3:50万円以上のサイトは「処分制限財産」になる
税抜50万円以上の費用で作成・更新したウェブサイトは「処分制限財産」に該当します。これは、補助金を受け取った後も、取得から原則5年間は自由に処分(廃棄・譲渡など)できないというルールです。
実務上、ふつうに運用していれば大きな問題にはなりませんが、「補助金で作ったサイトには一定の縛りがある」という点は知っておきましょう。
補助金でいくらホームページに使える?通常枠の現実
ここまでをふまえて、「通常枠でホームページにいくら補助が使えるのか」を整理します。
通常枠の補助上限は50万円。ウェブサイト関連費として計上できるのは、その1/4にあたる12.5万円までです。具体的には、こうなります。
- ホームページ制作費のうち、ウェブサイト関連費に計上できるのは最大12.5万円。
- それを超える分(たとえば30万円のサイトなら残りの17.5万円)は、補助の対象外=全額自己負担。
- 計上した12.5万円にも補助率(2/3)がかかるため、実際に戻ってくる補助はさらにその一部です。
- しかもウェブサイト関連費は単独申請できないので、チラシ・看板など他の取り組みと必ずセットで申請します。
ウェブに計上できる上限12.5万円の2/3=約8.3万円が補助されます。残りの約21.7万円(計上枠の超過分+自己負担分)は自分で支払う計算です。金額は申請の組み方で変わります。
つまり「ホームページに最大50万円」という見出しのイメージと、通常枠で実際にホームページへ使える額には、大きなギャップがあります。
ホームページにより多くの補助を充てたい場合は、賃金引上げなどの特例で補助の枠そのものを広げる(枠が広がれば、その1/4であるウェブサイト関連費の上限も上がります)か、他の販路開拓と組み合わせて全体を設計する必要があります。どの取り組みを・いくらで組むかは採択や金額に直結するため、商工会・商工会議所や専門家(行政書士・中小企業診断士など)に相談しながら進めるのがおすすめです。

申請から制作・入金までの流れ(5ステップ)
補助金は「申請したらすぐもらえる」ものではありません。大まかな流れは次のとおりです。
- 商工会・商工会議所に相談する
まずは地域の窓口へ。経営計画書を作成し、「事業支援計画書(様式4)」を発行してもらう必要があります(発行には締切があるので早めに)。 - 経営計画書・補助事業計画書を作成する
「何のために、どんな取り組みを、いくらで行い、どう売上につなげるか」を書きます。ここが採択(合格)の肝です。 - 電子申請する(持続化補助金の電子申請システム)
申請は、持続化補助金の電子申請システムからのみ受け付けています(郵送は不可)。利用には「GビズIDプライム」のアカウントが必要で、取得に時間がかかるため、これも早めに準備しましょう。 - 採択・交付決定 → 制作スタート
審査を経て採択され、「交付決定」が出てから、はじめてホームページ制作に着手します(後述のとおり、ここがとても重要)。 - 実績報告 → 補助金の入金(後払い)
制作・支払いを終えたら実績報告を提出。確認後に補助金が振り込まれます。つまり、いったんは自己資金で全額を支払う必要があります。
補助金でホームページを作るときの注意点
注意1:交付決定の「前」に発注・制作を始めない
最もよくある失敗がこれです。交付決定が出る前に契約・発注・制作を始めてしまうと、その費用は補助対象外になります。「採択されそうだから先に作り始めよう」は禁物。必ず交付決定を待ってから動きましょう。
注意2:補助金は「後払い」。先に自己資金が必要
前述のとおり、補助金は実績報告のあとに振り込まれます。制作費は先に自分で支払うことになるため、資金繰りの計画も忘れずに。
注意3:スケジュールに余裕をもつ
参考として、2026年の第19回公募はこんな日程でした。
- 公募要領 公開:2026年1月28日
- 申請受付 開始:2026年3月6日
- 事業支援計画書(様式4)発行 受付締切:2026年4月16日
- 申請 受付締切:2026年4月30日 17:00
様式4の発行依頼や経営計画書の作成、GビズIDの取得には時間がかかります
「締切まで2週間」では間に合わないことも多いので、思い立ったら早めに窓口へ相談するのが鉄則です。
注意4:「作って終わり」にしない
補助金で立派なホームページを作っても、公開後に放置すれば成果は出ません。補助金の趣旨も「販路開拓=売上を増やすこと」です。公開後の更新・ブログ・地図対策(MEO)まで含めて、育てる前提で計画すると、補助金を活かせます。
よくある質問(FAQ)
Q. ホームページの「リニューアル」でも使えますか?
A. はい、新規制作だけでなく、既存サイトの更新・リニューアルもウェブサイト関連費の対象になり得ます。ただし同じ上限ルール(補助金額の1/4・他経費との併用)が適用されます。
Q. 補助金の申請は自分でできますか?
A. できます。ただし経営計画書の作成や電子申請には手間がかかるため、商工会・商工会議所のサポートを受けるのが一般的です。行政書士・中小企業診断士などの専門家に相談する方も多いです。
Q. ホームページ制作会社が申請を代行してくれますか?
A. 制作会社は「制作」の担い手であって、補助金の申請代行はできないのが原則です(申請サポートは商工会議所や専門家の領域)。当スタジオも、申請そのものの代行は行っていません。「補助金を使う前提で、いくらの・どんなサイトを作るか」の設計や見積りでお力になります。
Q. ほかに使える補助金はありますか?
A. 自治体独自のホームページ制作補助金や、IT導入補助金(要件あり)など、状況によって選択肢があります。お住まいの市区町村名+「ホームページ 補助金」で調べてみてください。

まとめ
- ホームページ制作は小規模事業者持続化補助金の「ウェブサイト関連費」で補助を受けられる。
- ただし計上できるのは補助金額の1/4(最大50万円)まで・単独申請は不可という上限がある。通常枠だけだと使える額は意外と小さい。
- 補助金は後払いで、交付決定前の発注はNG。スケジュールにも余裕を。
- 申請には商工会・商工会議所による様式4の発行が欠かせない。計画書の作成・GビズID取得は早めに。
補助金は有効な手段ですが、ルールを知らないと「思ったより使えなかった」となりがちです。「結局うちはいくら使えて、どんなサイトを作れるのか」——まずはそこを一緒に整理するところから始めましょう。なお当スタジオは申請代行は行っていませんが、商工会議所での相談に持っていける見積り・構成案づくりはお手伝いできます。
集客全体の進め方はホームページ集客の始め方もあわせてご覧ください。
※本記事は2026年・第19回公募(公募要領 第6版)時点の情報をもとに作成しています。補助金の金額・補助率・対象経費・スケジュール・要件は公募回ごとに変わります。申請前に必ず中小企業庁の案内および最新の公募要領、お近くの商工会・商工会議所で最新情報をご確認ください。


