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旅館・宿泊施設の集客がうまくいかない理由と、ホームページで直予約とリピートを増やす方法

公開:2026.05.25 更新:2026.05.27 著者:山浦康介 読了:約12分

この記事のまとめ(先に結論)

  • 旅館・宿泊施設の集客は、「OTA(楽天トラベル・じゃらん等)で新規を呼び、直予約とリピートを自社サイトに寄せる」こと。これで手数料の負担を抑え、利益を残しやすくなります。
  • OTAは新規集客に強い一方、予約に応じた手数料・他施設との価格競争・お客さまの情報を自社で活用しにくいという弱点があります。すべてを預けると、リピート施策が打ちにくくなります。
  • 旅館は写真と世界観が命。客室・料理・温泉の魅力を、OTAの決まった枠ではなく、自社サイトでいちばん伝わる形で見せられます。
  • 直予約を案内するときは、OTAとの契約(料金パリティ条項など)や、温泉・料理の表示ルールに注意が必要です。ルールを守った見せ方が信頼につながります。

「楽天トラベルやじゃらんには出しているけれど、毎月の手数料が重い」「OTA経由の予約ばかりで、利益が薄い」「一度泊まってくれたお客さまと、また自分たちからつながりたい」——旅館や小規模ホテル、民宿の方からよく聞くお悩みです。

宿泊業は、OTA(オンライン旅行予約サイト)の力がとても大きい業界です。新規のお客さまに見つけてもらう入口として、楽天トラベル・じゃらん・一休・Booking.comなどは欠かせません。ただ、そこにすべてを預けてしまうと、予約のたびに手数料がかかり、価格競争に巻き込まれ、お客さまの情報も手元に残りません。これではリピーターを育てる施策が打てず、利益も残りにくくなります。

この記事では、旅館・宿泊施設の集客がうまくいかない理由を整理し、ホームページを使って直予約とリピートを増やす設計を解説します。OTAを否定するのではなく、うまく併用して利益を残す考え方をお伝えします。あわせて、宿泊業ならではの表示のルールにも触れます。

結論:OTAで新規、自社サイトで直予約とリピート

先に結論です。宿泊業の集客でめざすのは、「新規はOTAや検索で呼び、2回目以降の直予約とリピートを自社サイトに寄せていく」という流れをつくることです。

その「直予約・リピートの受け皿」として、自社サイトと並んで効くのが公式LINEの作り込みです。スタジオ・コハクが提供するLメイトを使うと、リッチメニューを「直予約/お部屋・お料理/周辺観光/会員特典」のように整理でき、お客さま別のタグ(リピーター/ファミリー利用/カップル利用/法人利用など)で違うメニューを出し分けられます。OTA経由で来られた新規のお客さまにチェックイン時にLINE登録をご案内し、次回からは直予約に寄せていく——この導線を設計しておくと、OTA手数料を抑えながらリピート率を底上げできます。

なぜなら、宿泊業はリピーターと直予約が利益を左右する商売だからです。新規をOTAで集め続けるのはコストがかかります。一度泊まって気に入ってくれたお客さまに、次は自社サイトから直接予約してもらえれば、手数料を抑えられます。そして、その「直予約の受け皿」と「お客さまとつながる手段」を自分の手元に持つことが、安定した経営の鍵になります。

OTA頼みの落とし穴

OTAは、新規集客の入口としては本当に優秀です。問題は、集客のすべてをそこに預けてしまうことです。チャネルごとに、集客の主導権がどこにあるかを見てみましょう。

FIG 1その集客、主導権は誰の手に?
OTA(楽天トラベル・じゃらん等)
新規集客は強い。ただし予約に応じた手数料・他施設との価格競争・掲載順位は先方しだい。お客さまの連絡先も手元に残りにくい。
SNS(Instagram等)
宿の世界観や日々の様子を伝えやすい入口。役割は「知ってもらう」。予約や説明の受け皿として自社サイトと組み合わせると相性がよい。
自社HP+直予約+Googleビジネス
見せ方も予約もお客さまとのつながりも自分の手元に。直予約とリピートを重ねるほど、宿の資産になる。

バーは「自分でコントロールできる範囲」のイメージ。OTAは新規の入口、自社サイトは直予約とリピートの受け皿——役割を分けて使うのが基本です。

OTAの掲載や上位表示は、プランやキャンペーンに応じて手数料や費用がかさみます。さらに、似た条件の宿と価格で比べられ、値下げ合戦になりがちです。そして何より、お客さまの連絡先などの顧客情報を自社で自由に活用しにくいため、「また来てください」という案内がしにくくなります。これが「予約は入るのに利益が残らない」「リピーターが増えない」という、よくある状態の正体です。

それでも旅館にHPが必要な理由

「OTAに出していれば予約は入るし、自社サイトは要らないのでは?」と思うかもしれません。でも、旅館こそホームページが効く理由があります。

趣のある旅館の和室客室から望む庭園と露天風呂。やわらかな自然光が差し込み、落ち着いた和の上質な雰囲気

1つめは、世界観をそのまま伝えられること
宿選びは「設備」だけでなく「過ごす時間の魅力」で決まります。OTAは決まったフォーマットの中でしか見せられませんが、自社サイトなら、客室・料理・温泉・おもてなしを、いちばん魅力的に伝わる形で並べられます。

2つめは、直予約の受け皿になること
OTAで知った人や、紹介・SNSで気になった人は、宿の名前で検索します。そのとき自社サイトと直予約の仕組みがあれば、OTA手数料の負担を抑えられる可能性があります(料金の見せ方はOTAとの契約に配慮が必要です。後述します)。

3つめは、リピーターとつながれること
直予約なら、お客さまの連絡先を(同意を得たうえで)自分たちで持てます。季節のご案内やお礼を届けられ、「またあの宿に」というファンを育てられます。OTA経由では難しい、この関係づくりが自社サイトの強みです。

旅館のホームページで効く7要素

では具体的に、何を整えればいいのか。お客さまが宿を選ぶときに知りたいことを軸に、効く要素を7つにまとめました。

FIG 2選ばれる“宿サイト”の7要素
1
客室・館内の写真
客室、ロビー、庭、眺望。宿の決め手は写真。明るく上質な写真を主役に。
2
料理(夕食・朝食)
旅の楽しみの中心。料理の写真と、食材や品数の魅力を丁寧に伝える。
3
温泉・お風呂
露天・貸切などの魅力。泉質や設備は、表示のルールに沿って正しく記載。
4
料金・宿泊プラン
プランと料金の目安。何が含まれるかが分かると、予約の不安が消える。
5
直予約の導線
自社の予約システムや電話。OTAとの契約に配慮しつつ、直接予約を受けられる形に。
6
アクセス・周辺観光
行き方、送迎、周辺の見どころ。滞在のイメージがふくらみ、予約につながる。
7
スマホ・多言語への配慮
宿探しはほぼスマホ。写真がきれいに見え、必要なら外国語対応も検討。
全部を一度にそろえなくて大丈夫です。とくに1(写真)・2(料理)・5(直予約導線)から手をつけると、直予約につながりやすくなります。

OTAは新規の入口、自社サイトは直予約・リピートの受け皿

宿の集客でいちばん大事な考え方が、この役割分担です。OTAと自社サイトは、どちらか一方ではなく、役割を分けて両方使います。

FIG 32つのチャネルの役割分担
新規=OTA・検索・SNS
まだ宿を知らない人に見つけてもらう入口。楽天トラベル・じゃらん・Googleマップ・Instagram。新規を呼ぶのが役割
2回目以降は、こちらへ
リピート=自社HP・直予約
滞在中やお礼の連絡で、契約の範囲で自社サイト・直予約をご案内。OTA経由の手数料を抑え、リピートとファンを育てるのが役割。
泊まってくれたお客さまに「次回は公式サイトから直接どうぞ」とご案内するだけで、少しずつ直予約が増えていきます(料金やご案内の仕方はOTAとの契約に沿って行います)。

たとえば、初回はOTAで予約してもらい、滞在中やお礼のお便りで(OTAとの契約の範囲で)公式サイトや会員登録をご案内する。次回は自社サイトから直接予約してもらう。これで、2回目以降のOTA手数料の負担を抑えやすくなります(自社予約システム等の費用も含めて設計します)。OTAは「新規を呼ぶ広告費」、自社サイトは「リピートを育てる資産」と考えると、お金の使い方がはっきりします。

写真と世界観の作り方+表示のルール

宿のサイトで、ほかの業種以上に効くのが写真と世界観です。そして宿泊業には、守るべき表示のルールもあります。両方を押さえましょう。

旅館の夕食で供される季節の会席料理。器に美しく盛り付けられ、湯気の立つ温かみのある食卓。やわらかな照明

まず写真。お客さまは、客室や料理、温泉の写真を見て「ここに泊まりたい」と感じて予約します。逆に、暗い・古い・実物と印象が違う写真は、それだけで候補から外れます。サイト全体で色・フォント・写真のトーンをそろえると、宿の世界観(和モダン・隠れ家・ファミリー向けなど)が伝わり、選ばれやすくなります。こうしたデザインの方向性はデザインの考え方のページでも紹介しています。

次に表示のルール。魅力的に見せたいあまり、実際と違う印象を与える表現は避けます。たとえば温泉は、泉質や、加水・加温・循環ろ過・入浴剤の使用などを、定められた方法で正しく表示する必要があります。料理の食材や産地も、事実と異なる表示はできません。また「日本一」「最高級」といった根拠を示しにくい断定や、実際には予約できないプランで誘う「おとり」のような見せ方も、景品表示法の観点から避けるべきです。正直に、でも魅力的に——この両立こそ、長く信頼される宿サイトの条件です。コハクでは、こうした表示のルールを踏まえた見せ方をご提案しています。

実物で見てもらう+費用の目安

「具体的にどんなサイトになるの?」というイメージのために、コハクでは宿泊施設向けのデモサイト(デザイン見本)を公開しています。客室・料理・温泉の見せ方、世界観の出し方、直予約への導線など、旅館向けデモサイトを見ると雰囲気がつかめると思います。ほかの業種の見本も制作サンプル一覧にまとめています。

FIG 4費用の目安(宿サイト)
自作無料〜月数千円程度(ツール・ドメイン・予約システム等は別途の場合あり)/写真・世界観・表示確認は自力
プロに依頼5万円〜(基本構成。ページ追加・原稿・撮影・予約システム連携・多言語・保守は別途)/世界観・直予約導線・表示ルールまで相談可

宿は「写真と世界観」、そして「正しい表示」で差が出る領域。撮影や全体のトーン設計、予約システムの連携まで含めて相談できると、仕上がりが変わります。

コハクの場合、シンプルな構成(基本ページ中心・既存写真を利用)なら5万円程度からお受けしています。撮影・原稿作成・ページ追加・予約システム連携・多言語対応・保守運用などをご希望の場合は、内容に合わせて別途お見積もりします(価格はすべて税別)。客室や料理の撮影、直予約システムの連携まで任せたい場合は、内容に応じてお見積もりします。見積もりシミュレーター30秒のプラン診断で、まずは目安を確認できます。

なお、AIで自分で作る方法もあります。まずは自作で始めて、写真・直予約導線・表示ルールで伸び悩む場合は、プロに相談する選択肢もあります。考え方はAIでホームページは作れる時代、それでもプロに頼んだ方がいい理由も参考にしてください。

よくある質問(FAQ)

Q. OTAをやめて、自社サイトの直予約だけにすべきですか?
A. いきなりやめるのはおすすめしません。OTAは新規集客に強いので、新規の入口としては続けつつ、リピートと直予約を少しずつ自社サイトに寄せていくのが現実的です。直予約の割合が増えてきたら、OTAのプランを見直す、という順番が安全です。

Q. 直予約を「OTAよりお得」とうたっても大丈夫ですか?
A. ここは注意が必要です。OTAとの契約に、料金パリティ条項(OTAより自社の価格を安くしないなどの取り決め)が含まれている場合があります。価格での訴求は契約内容を確認したうえで行い、価格以外の特典(直予約限定の特典やサービスなど、契約で認められる範囲)で差をつける方法もあります。契約内容に応じた見せ方をご提案します。

Q. 温泉や料理を魅力的に見せたいのですが、注意点はありますか?
A. 温泉は、泉質や、加水・加温・循環ろ過・入浴剤の使用などを定められた方法で正しく表示する必要があります。料理も、食材や産地を事実どおりに記載します。魅力的に見せること自体は問題ありませんが、実際と異なる印象を与える表現は避けます。正しい表示は、かえってお客さまの信頼につながります。

Q. できるだけ安く作りたいのですが、いくらからできますか?
A. シンプルな構成なら、コハクでは5万円程度からお受けしています(税別。内容により前後します)。30秒のプラン診断見積もりシミュレーターで、まずは目安を確認してみてください。撮影や予約システム連携は、優先順位をつけて段階的に進めることもできます。

まとめ

  • 宿泊業の集客は「OTAで新規を呼び、直予約とリピートを自社に寄せる」こと。直予約の受け皿とお客さまとのつながりを自分の手元に持つ。
  • OTAは新規に強いが、手数料・価格競争・顧客情報が残らないという弱点がある。すべてを預けるとリピート施策が打てない。
  • 旅館は写真と世界観が命。客室・料理・温泉を、自社サイトでいちばん魅力的に見せられる。
  • 効く7要素(写真・料理・温泉・料金プラン・直予約導線・アクセス周辺観光・スマホ多言語)を、まず写真・料理・直予約導線から。
  • 直予約の案内はOTAとの契約(料金パリティ等)に配慮し、温泉・料理は正しい表示で。ルールを守ることが信頼につながる。

集客全体の進め方はホームページ集客の始め方でも解説しています。あわせてご覧ください。

「うちの宿なら、世界観と直予約をどう見せるか」を、まず実物のたたき台で見てから判断していただけます。コハクは初回相談時に、無料で簡易なたたき台をご提案しています(内容・範囲はご相談内容によります)。お気軽にご相談ください

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